2012年3月8日木曜日

FROM 新潟 » Old Man Talking

FROM 新潟 » Old man talking

話題のバスケドラマ、フジテレビの「ブザービート 崖っぷちのヒーロー」、皆さんはご覧になりましたか?バスケが好きならどうしたって見たくなるドラマですよね。

・・・で、その中身(ストーリー)そのものについては置いておいて(笑)、この番組は日本のバスケの現状を世間一般に伝える大きなチャンスであると思っています。bjリーグの中継でバスケの現場に精通しているフジテレビだけに期待したいのですが(先日の東アジア選手権もBSで放送したし)、一方でそんな話はこのドラマのメインターゲットになるであろう若年層にとってはどうでもいい事のような気がするし、人気のタレントが「たまたま」バスケを題材とした番組に出ているだけなのかもしれないけれど……。

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その「ブザービート」の初回が放送された翌日(7/14)、NHK-BSでアメフト映画「プライド 栄光への絆」をご覧になった方はどのくらいいるでしょうか?原題は「Friday night lights」、アメリカ・テキサス州の高校アメフト部の実話を基にしたストーリーです。

私はこの映画が公開された時に映画館に見に行ったのですが、期待通りの作品でした。後に手に入れたDVDの帯には元横綱・若田勝氏の「最高の映画です!泣けた!」というコメントがあるのですが、彼がどんな意味で「最高の映画」と言っているのかが気になるところ。

私自身、この映画はある意味「最高の映画」だと思います。アメフトに限らず、アメリカのスポーツの現状を表す作品として、です。

以前から、アメリカのバスケの実態についての書籍などを紹介したいと思っているところがあって、それは、日本、この場合は世間一般としてはまだ「アメリカ=NBA」的なところがあるのかな?と思ったりもするのですが(最近は日本人選手の挑戦で様々なマイナーリーグや、そしてヨーロッパのバスケもかなり身近になりましたけどね)、ではそのNBAに入るのはどんな選手なのか、そもそもNBAってどんな世界なのか、そのNBAに入る選手というのはNCAAではどうなのか?そして高校レベルでは?日本からアメリカの大学だけでなく、高校に留学する選手が現れ始めている現状からして、これらの話が頭に入っていると、本場アメリカでのバスケについてより楽しめるような気がします。

という訳で、今回は過去に私が手にした書籍などをいくつか紹介したいと思います。

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題名:勝負の分かれ目(上巻、下巻)
原題:THE BREAKS OF THE GAME
著者:デビッド・ハルバースタム
訳者:浅野輔
出版:サイマル出版

故デビッド・ハルバースタムはアメリカのジャーナリストで、ベトナム戦争での取材ではピューリッツァー賞も受賞していますが、スポーツ関連でもその著作は多く、本書はそのひとつ。

ハルバースタムは1979~80シーズンの1年に渡ってNBAポートランドと行動を共にし、急速に拡大化しつつあるプロバスケの世界を事細かに描いています。本書の副題には「バスケットボール界の葛藤」、また「プロスポーツ界の栄光と失意のドラマ」、「スーパースター達の過酷なドキュメント」とあるのですが、これを読むと、「ドキュメントとはこうあるべきなのだな」と思わざるをえません。

著者はチームと常に行動を共にするのですが、その取材は選手やコーチだけに限らず、球団社長、スカウト、広報からマイナー選手まで、全てにおいて徹底的に掘り下げたストーリーが展開されます。もちろん主なターゲットは選手やコーチ達ですが、その取材の徹底ぶりには頭が下がるばかり。本書ではプレシーズンのキャンプインからシーズン終了までをひたすら続く細かい描写で追い続けます。なので上下巻合わせると600ページ近いボリュームになるのですが、あっという間に読み進んでしまう感じです。

一般にNBAは1980年代、つまりマジック・ジョンソンとラリー・バードという2人のスーパースターを中心に隆盛を極めていくという認識があると思うのですが(更に加えるならコミッショナーのD・スターンとM・ジョーダンの登場かな)、実際には70年代からその兆候はあったのです。60年代の人種問題やテレビ局との確執を乗り越え、NBA(とそのチーム)に次々とお金が流れ込んでくる。その流れは選手だけに限らずNBAそのものに大きな影響を与えていくのですが、そのNBAが果たしてどのように運営されているのか、選手だけでなくオーナー、コーチングスタッフ、スカウト、チームドクター、そんなチームに関わる彼らが何を考えているのか。もちろん30年近く前の話になりますので2000年代以降、急速にグローバル化の進んだNBAに比べれ ば極めて古い話ですが、アメリカのバスケの本質を知るという意味では大いに参考になる話だと思います。ストーリーの中心は1980年ですが、そこに至る数十年に渡るプロバスケの軌跡としても勉強になります。ちょっと驚いた話では、1980年時点でNBAに文盲の選手がいたという事ですね。


どのように多くの人々がサッカーをする

なお、ジャック・ラムジー(当時のHC)、ビル・ウォルトン、モーリス・ルーカス、レニー・ウィルケンズ、ジュリアス・アービング、モーゼス・マローン、故デニス・ジョンソン、カーミット・ワシントン、ここら辺の名前を聞いてなんとなくイメージ出来るものがあれば楽しめると思いますが、そうじゃないと……苦しいかな。

ポートランドで優勝経験のあるヘッドコーチ、現在は解説者のジャック・ラムジーがなぜ「ドクター」と呼ばれるのか。ビル・ウォルトンは現在NBAレイカーズのルーク・ウォルトンの父親ですが、なぜ「ルーク」という名前にしたのか。NBA史上最多勝利の記録を持つレニー・ウィルケンズはなぜ、コートサイドで決して怒鳴ることなく、いつも落ち着いているのか。NBA史上最悪の乱闘事件で、カーミット・ワシントンはなぜルーディー・トムジャノビッチが瀕死の重傷に陥るほどのパンチを放ったのか。後にNBAを代表する選手となるモーゼス・マローン(高卒としてNBAで成功した最初の選手)を、なぜポートランドはタダ同然でヒューストンに放出したのか。

まぁここら辺は小ネタレベルですが、私としては是非読んでもらいたい書籍です。既に絶版ですが、手に入るとは思います。

あと、かのマイケル・ジョーダンについては多くの著者による書籍がありますが、もしこれから読む機会があるのなら、このハルバースタムによる「ジョーダン(原題:PLAYING for KEEPS)」をオススメします。これはジョーダンが引退する98シーズンを通してMJのキャリアを振り返るというものですが、精力的な取材による600ページにも渡る内容は圧倒的です。類似のジョーダン本とは「深み」が違いますね。

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題名:エニイギブンサンデー
原題:ANY GIVEN SUNDAY
監督:オリバー・ストーン
出演:アル・パチーノ、ジェイミー・フォックス、キャメロン・ディアス、ダン・エイクロイド他
公式HP:

2つ目にしてDVD、しかもアメフトの話で申し訳ないのですが(笑)、アメリカのプロスポーツの現状を描くという意味で手っ取り早い作品。金儲けに目がないオーナー、古典的でガチガチに頭の固いヘッドコーチ、怪我でキャリアの窮地に立たされる大ベテラン、全くの無名選手からチームの顔になる若手ライジングスター、自分の契約アップの為だけにプレーするスター選手、チームのためなら不正も働くチームドクター……と、これだけでも面白いですが、ここに絡むリーグ首脳、報道メディア、地元市長ら権力者、選手の妻達、エージェント、そして選手に群がるグルーピーと、フィクションではあるけれど、そのリアルさに思わず見入ってしまう映画です。

あと、男女の恋愛話が出てこないのがいいですね。この手の作品には全く必要のない部分だと思うので。

個人的には、プレイオフ試合開始前にHCのパチーノがロッカールームで一席ぶつ場面がかなり好きだったりします。私の好きなNCAAのHC、リック・ピティーノも"Motivational speaker"として知られていますが、パチーノも(この映画では)まさに選手にやる気を出させる「役者」ですね。本当にカッコいいです。

ちなみにそのR・ピティーノの講演料は、1回400万円(!)だそうです。

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題名:NBAの死闘 48分間
原題:FORTY-EIGHT MINUTES
著者:テリー・プルート、ボブ・ライアン
訳者:松崎広幸
出版:大修館書店

ボブ・ライアンという名前に反応した人はちょっと詳しい人かもしれません。彼はボストン・グローブ紙のスポーツ記者で、セルティックスの本を書くなら彼を置いていないという人物。面白いのは、この本は対戦相手のクリーブランド側から試合の内側を描いていること。

この本の副題に「息づまるゲーム展開の全記録」、"A Night in the Life on the NBA"とある通り、1987年1月16日にボストンのホームコートのボストンガーデン(当時)で行われたセルティックスとキャバリアーズの試合について、クリーブランド側からの視点で、彼らのボストン入りからゲーム終了まで事細かにその動きを追った本です。

この内容についてクリーブランドのHC、レニー・ウィルケンズは合計20時間に及ぶインタビューに応じたそうですが、なるほど確かにそれだけの密度があります。本書の大半はこの試合の1つ1つのプレーを解説しており、その全てのプレーについて、ウィルケンズだけでなく選手達のコメントによって、「実際に何が起こったのか?」、「彼らはその場面でどう判断したのか?」をつぶさに描いていきます。

87年のボストンといえば不動のメンバー、ラリー・バード、ケビン・マクヘイル、ロバート・パリッシュ、ダニー・エインジ、デニス・ジョンソンという黄金のスターティング5が健在の頃であり(同年、NBAファイナルへ進出)、一方のクリーブランドはロン・ハーパー、ブラッド・ドアティ、ジョン・ウィリアムズといった若手が急成長していた時期。チームとしては全く対照的なのですが、彼らの判断の1つ1つがそのプレーに、そして試合の流れにどんな影響を与えているのか。更に、HCと審判達の駆け引きも興味深いところです。


ヤンキースはディビジョンシリーズで誰が演奏する

BSでのNBA放送を見始めた頃、副音声で元NBAのヘッドコーチが解説だと、「プロは試合中にこんな事考えているんだ!」といつも思っていたのですが、それを突き詰めたような本がこれですね。

なお、この本はまだ新書で購入できるようです。

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題名:瀬戸際に立たされて
原題:A  SEASON ON THE BRINK
著者:ジョン・ファインスタイン
訳者:桜井真紀子他4名
出版:日本文化出版

2008年に引退したNCAAの名物コーチ、ボビー・ナイト率いるインディアナ大学(当時)の1シーズンを追った内容。1985~86年の1シーズンに渡り、やはりプレシーズンの練習からNCAAトーナメントの試合までの全試合だけでなく、その間の練習やミーティングまで追った本ですが、前述のハルバースタムの著書が徹底した取材によって構成されているのに対し、こちらは「ボビー・ナイト」という人物、彼のキャラクターをひたすら追い続けた内容となっています。

ジョン・ファインスタインはアメリカ人のスポーツライター。かの故レッド・アウエルバッハとの共著などバスケはもちろん、アメフト、野球、ゴルフに関する著作が多数あります。

この本の主人公であるボブ・ナイトは76年と81年にNCAAを制覇し、更に84年にロス五輪で金メダルを獲得してバスケのコーチとしてはほぼ頂点を極めながら、翌85年はインディアナ大でチーム史上初となる負け越しシーズンを記録。87年には再びNCAAで優勝するのでこの86年はチーム再建の年となるのですが、実際には「紆余曲折」を画に描いたような浮き沈みの激しいシーズンとなりました。

この作品の中では日々の練習の様子、試合のスカウティング、試合、遠征、リクルーティングにその他諸々の問題、例えば選手の学業問題やNCAAルール違反の話などが描かれ、大学バスケの実態というもの垣間見ることができる内容となっています。

後にインディアナ大入りするデイモン・ベイリーは中学の時点から声を掛けているし、ショーン・ケンプにも高校1年の時点で大学に招いているのも興味深いところ(結局ケンプは大学入学の為の成績が足りずに短大入りし、その後1年でプロ入りしてしまうのですが)。

NCAAの、というよりインディアナ州というバスケットマッドネス地帯のど真ん中に位置するインディアナ大を通じてかの地の雰囲気を感じることが出来る内容ですが、ボビー・ナイトという人物に多少の興味がないと読むのはちょっと厳しいかもしれません。アメリカのバスケ史上において決して欠かせぬ人物なのは間違いないのですけどね。

個人的には、高校時代に「とにかく読んでみよう」と思い切って注文したのを覚えてます。もう10回以上読んでいますが、この本が私のバスケ熱の大きなベースになっているような気がします。

こちらは既に絶版ですが、古本は結構いい値段がするみたいです。

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題名:プライド 栄光への絆
原題:FRIDAY NIGHT LIGHTS
監督:ピーター・バーグ
出演:ビリ・ボブ・ソーントン
公式HP:

冒頭で紹介したこの映画については、以前紹介した町山智浩氏の著書「アメリカは今日もステロイドを打つ」において、この「プライド」と「コーチ・カーター」(サミュエル・L・ジャクソン主演)が一緒に紹介されています。

「コーチ・カーター」は以前、bjリーグがPRしていたので見た方も多いと思います。カリフォルニア州の貧困層が多い地区の高校バスケ部にコーチとしてやって来たカーターがチームに徹底させたのは、とにかく生徒に勉強させること。授業はサボらず、宿題をきちんと出し、テストの点数が悪ければバスケ部の活動を停止する。カーターは言います。「高校のスポーツ選手で最終的にプロになれるのは50万人に一人。プロスポーツ業界で働く者は全米でたった5千人しかいない。そんな可能性の低い夢にすべてを賭けて、子供たちの将来を潰す気か?」事実、このリッチモンド地区では大学進学者1人に対し、刑務所に行くのは80人もいるのです。

バスケにしか興味のない生徒と家族は「バスケでプロになるから勉強なんてどうでもいい!」と反抗しますが、実際にコーチは体育館をロックアウトし、生徒に勉強させます。これは全米に大論争を巻き起こす事になるのですが、結果、チームは優勝を逃すものの、生徒の多くが大学に進学することになったという話です。

一方の「プライド」。こちらはもっと厳しい現実を見せてくれます。テキサスのド田舎町オデッサ、ここには地元高校のアメフトしかない。「アメリカで最も住みたくない町」というランキングに入るくらい、街として終わっている。なので人口9万人の街で、2万人が試合の度にスタジアムに押し掛けて熱狂する。選手達は街のスターであり、なので常にプレッシャーをかけられ、試合に負ければコーチの自宅に「売り家」と看板が立てられる。つまり、「出ていけ」ということ。


アレックスKovalev発信者は何歳ですか

そんなチームがあれよあれよとシーズンを勝ち進み、ついに州大会トーナメントの決勝までコマを進める(この時、田舎町の選手達が7万人収容のスーパードーム@ルイジアナの雰囲気に圧倒される場面は鳥肌が立ちます)。試合は残念ながら僅差で敗れてしまうのだけれど、この部分は映画の本質ではありません。チームと地元期待のスター選手は大怪我でキャリアが終わり、その後の華々しい人生も夢のように消え去ってしまう。エース不在で頑張った選手達も、結局は目指すNCAA有力校からのオファーがあったのはたったの1人だけ。他の選手達はマイナーな大学や短大へ行くことになり、その後はアメフトと関係ない仕事をすることに。結局、彼らの中に勝者はいるのか?

あえて勝者と言うなら、進学部に在籍した選手。彼は大学院卒業後に会社員として成功します。その道のりは、プロ選手の50万分の1の確率より、はるかに堅実な道かもしれません。

※余談ですが、「コーチ・カーター」で俳優達にバスケの技術指導をしたのは、かつてbj沖縄でHCを務めたH・プラネルズ・Jrです。同氏は他にも「スパイダーマン3」や「Semi-Pro(邦題:俺たちダンクシューター)」でもバスケの指導で制作に関わっています。

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題名:最後のシュート
原題:THE LAST SHOT
著者:ダーシー・フレイ
訳者:井上一馬
出版:福音館書店

上記の2作品、「プライド」と「コーチ・カーター」と同じように、NY高校バスケの世界を追い続けたドキュメントがこちら。コニー・アイランドというのはNYのスラムでもドン詰まりに位置する最悪のゲットー(黒人街)。

主役は3人の高校4年生(最上級生)と1人の高校1年生。ちなみにこの1年生は後にNBA入りするステファン・マーブリー。でも、このノンフィクションの主役は彼ではない。ステファンは悪名高きマーブリー家の天才4男坊(彼とその家族の性格の悪さはその育った環境にある)。才能のカタマリであるステファンはNCAAを2年でスキップしてNBA入りするけれど、バスケが全てのコニー・アイランドの人々にとって、NCAAのスカラーシップ(奨学金)をもらってこの街を出ることすらはかなすぎる希望に過ぎない。それくらい、この街の環境は悪い。最悪に近い。よく「外国人はハングリー精神が違う」と言われるけれど、そんなレベルじゃない。日本人でも、この環境にいたらほとんどがドロップアウトするでしょう。

前述の3人の最上級生達はステファン程ではないにしろ、大学レベルに進学する才能が十分にある。しかしあらゆる環境が彼らを邪魔し、足を引っ張り、そのチャンスは少しずつ遠のいていく。先生は必死に勉強させようとするし、両親も期待するのだけれど(彼らにはそれしか希望がないから)。

帯の最後にはこうあります。「ある者は栄光の舞台へ、ある者は悲劇的な結末へ。」

後者については……泣きたくなります。でも、そんな修羅場を生き残った者がNBAにいるのです。この本は、決して「面白い話」ではありませんが、個人的には是非みなさんに読んでもらいたい本です。アメリカンドリームという言葉は、このような人達の苦難の上に成り立っているのです。

なお、こちらはまだ新書で購入することが出来るようです。

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題名:フープドリームス
原題:Hoop Dreams
監督:スティーブ・ジェームズ
出演:ウィリアム・ゲイツ、アーサー・エイジー
関連HP:

書籍では先ほどの「瀬戸際に立たされて」が私に大きなインパクトを与えてくれたのですが、映像作品としてはこのフープドリームスです。バスケでの成功、この場合は将来のNBAですが、それを夢見る2人の14才の黒人少年を4年以上に渡って追い続けたドキュメント映画。特に盛り上がることもなく、ただ淡々と流れゆく彼らの生活がその現実を教えてくれます。

この映画はアメリカで94年に封切られ話題となり(95年にはアカデミー賞で無冠だったことが論争を呼びました)、翌95年には山形国際ドキュメンタリー映画祭でも上映されました。かといって当時は山形まで行くわけにもいかず、とりあえず手に入れたサウンドトラックをひたすら聞いていた記憶があります(なお、このサントラの楽曲はバスケ関連に限らずドキュメント調の番組ではかなり頻繁に流れています)。

後にやっとビデオを手に入れるのですが、その頃の日本(90年代後半)はまさにバスケブーム。NBAの華やかな舞台ばかりが注目される中で、この作品に描かれる現実の厳しさに驚いた記憶があります。

※こちらがそのサントラCDとパンフレット。ビデオは人に貸したら行方不明になってしまいました(泣)。

舞台はシカゴの貧困街ですが、そのストーリーは前述の「最後のシュート」によく似ています。バスケの才能には秀でているけど、勉学で問題があったり、選手としても怪我に泣かされたり。結果、この2人は大学まではバスケをつづけるものの、その後はバスケから離れたようです。彼らにとって問題は、いつそれが「夢」だと気づくか?という事なのかもしれません。


なお、パンフレットには宮地陽子氏によるウィリアム・ゲイツへのロングインタビューが載っていますが、その後日談は同氏のHPにて読むことが出来ます。「フープドリームス」で検索してみるとすぐに見つかると思います。バスケだけで生きてきた選手には、「夢を諦めて社会生活に適応するため」のプログラムが必要なんですね……。

この作品を評して、ある評論家は「夢は人を支え、夢は人をむしばむ。人は夢を食べ、人は夢に食べられる」と言っています。

今や希望のかけらもないこの日本では、なんとなく彼らの気持ちが分かる気がします。

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ここまで読んで気づいた方もいると思うのですが、一応レベルが上から下という順番で紹介しています。私達が目にするのが多いのは一番上のプロ、プロでもトップレベルですが、それはピラミッドの頂点の部分であって、その底辺には様々なドラマ、それは大半が暗くネガティブな話が多いのですが、そのピラミッドはそんな人々に支えられているというのは事実だと思います。

なお、個人的なオススメとしては「最後のシュート」、「勝負の分かれ目」、「フープドリームス」を推したいと思います……が、実際に読んだり見る人はいるかな?もしこのコラムを読む人が100人いるとしたら、1人でも実際に行動を起こしてくれたら嬉しいですね。

私がその1人のタイプなんで。

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オマケ

題名:ドラムライン
原題:DRUMLINE
監督:チャールズ・ストーン3世
出演:ニック・キャノン他
公式HP:

石丸電気新潟店が閉店するときに500円で買ったDVDです(笑)。内容は典型的なアメリカ青春スポ根モノなんですが(女の子達がめっちゃキュート!)、舞台が大学の「マーチングバンド部」です。NCAAのバスケでもバンドが活躍しますが、どちらかと言えばアメフトのハーフタイムのほうがメジャーなのかな。

そんな彼らの練習や生活ぶりはガチガチの体育会系だったりするので結構面白いのですが、劇中で流れるたくさんの演奏が、よくbjなどのバスケ会場で流れる曲なんですね。そんな演奏を聞くだけでも楽しめる作品です。

ま、こちらはオマケということで。

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今回、様々な書籍などについて調べるためにアマゾンでチェックしたのですが、書籍で「バスケットボール」と検索すると、その上位に来るのは殆どが「勝つための指導書」です。レベルを問わず、多くの人が気になるのは「どうやったら勝てるか」という事、そればっかり。それはそれで大事な事なんだろうけど、なんだか「勝利至上主義」の一端を垣間見るような気がします。

日本のバスケット界の弊害の1つと言われる「各レベルでの徹底した勝利至上主義」が結果として、「日本のバスケとはなんぞや?」といった部分に大きな影を落としているのではないでしょうか。

私自身、バスケに関わるようになったのは「たまたま」なんですが、ではそのバスケとはどんなスポーツで、それを通じて何を学ぶことが出来るのか?という事について、もっと多くの人が興味を持ってもらえれば?と思った次第です。

あ、その意味でもう1冊紹介しておきます。

題名:バスケットボール ザ・ワールド・ニュース
著者:水谷豊
出版:そうぶん社

著者の名前を見て気づいた方もいると思いますが、月刊バスケットボールにおいて連載されている同氏によるコラムをまとめたものです。

バスケットボール生誕のいきさつから始まって現代のNBAまで話題は実に豊富なのですが(特にジェイムズ・ネイスミス博士によるバスケ誕生の経緯やその後のルールの変遷など)、アジアのバスケに関する記述が興味深い一冊です。

現在台湾で開催中のジョーンズカップのジョーンズって誰?2004年から始まったスタンコビッチ杯ってそもそも何なのか?知ってるようで知らない内容のコラムが充実してますよ。

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そういえば、テレビドラマ「ブザービート」の話を忘れてました。

今のところ第2話まで見たんですが、う~ん、どうなんでしょう。恋愛がメインなんだからバスケはおまけ程度にしとけばいいと思うんですが(それにしてはそっち部分の展開もアレですけどね)、どうもバスケのシーンも絡めたいようですね、このドラマでは。

それならそれで撮り方というか演出の仕方があると思うのですが、そこまで手間暇かけていられないって事なんでしょうか。JBL、bjリーグという日本の2つのリーグが協力している訳だし、もったいない気がします。日本のトップレベルの選手が出ているんですから、もっと彼らを(いい意味で)踏み台にしてカッコよく見せることは出来ると思うんですけどね~。海外のドラマで見るような緊張感や話の奥行きは皆無で、内容すべてが学芸会チックなのは仕方ないのかな、視聴者層が視聴者層だけに。

この感じだと、webでジョーンズカップ見ている方が正直面白いですね。こっちの戦いがよっぽどドラマチックです。



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